福祉の資格の解答例(見解)

問題設定について
・台が置いてあり、床に座っている、また、デイサービス参加ということで普段よりこの設定での行動は慣れていると思われるので、通常の場面では、適度な声かけ、見守り、促しで対応できると思われる。
ただし、試験問題として捉えた場合、モデルは、ほぼ動かないことが予想されるので、介助者が物品の適切な配置、援助(自立支援を促しながらもほぼ全介助)をおこなわなければならない。
(介護福祉士実技試験は、普段実際おこなっている介護と違い、いうなれば詰め将棋のようなもの、決められた設定を考察し、使える物品を適切に活用し、採点基準を考えながら時間を意識しながら課題をこなしていく)
課題だけでは分からない部分(不確定要素)
・台の大きさ(これにより活用方法が変わる)
・試験開始時のモデルの状態(あぐら、長座位、三角座り?)
・杖(床に座っている人ということで当然T字型杖と思いきや、なんと四点杖)
・段差の大きさ(これにより介助方法が変わる)
要介護者の状態について
・左上下肢麻痺
・移動や移乗には一部介助が必要
・四点杖利用者
・モデルは、はい又は、うなずくのみ
この設定では、左麻痺、移動や移乗は一部介助とのことなので、右側は自力動作の促し、左側は半介助、モデルの動き、反応見ながら全介助が適当でしょう。
又、四点杖利用者との事で、歩行介助の際は、バランス崩さないようにすぐそばでの介助が適当でしょう。
課題の流れについて
・床に座っている人の立ち上がり
・杖歩行(段差付)
・立位からいすへの移乗
・着衣介助
という流れでしょうか
課題の時間設定について
・課題の試験時間は5分、
・アクションは4つ(時間のかかる着替えあり)
・四点杖歩行のため時間をかけて確実な介助が要求される、
又、車いすと違い速度の調整が介助者でできない。
という事で、普通に行っても、5分以上かかりそうな内容ですので、声かけを簡潔にし、モデルの反応を見て、あまり協力してくれそうもなかった場合、動作がゆっくりだった場合は、すぐに全介助にし、時間を意識して課題をこなしていくのがいいと思われます。
判断迷うポイント
Q 台置く位置は?
A これは、介助方法により、山本さんの健側横、健側前方、健側後方と変わってくると思いますが、介助がスムーズにおこなわれていれば、右側(健側)に置いてさえいれば、細かい位置は特に問題とはならないでしょう。
Q 床からの立ち上がり方法は?
A これは難しいところです、半身麻痺者の立ち上がり方法は、健側に重心を持っていき、健側手をついてもらい、健側膝を立ててもらい立ち上がる方法、一度、両膝立ちになってもらってから、健側膝を立ててもらい全介助で立ち上がる方法等とありますが、この設定では、台の活用がポイントですので、健側、手、肘、膝を活用した立ち上がらせ方が適当でしょう。
Q 杖歩行は三動作か二動作か?
A 四点杖利用者とのことで、バランスが悪いため、安定して歩行できる三動作が適当と思われます。なお、介助者は患側後方に位置していれば、腋か、肩、腰いずれを支えていてもいいでしょう
Q 段差の乗り越え方法は?
A 杖歩行者通常は、杖患健の順番、階段上る時は、杖健患、障害物またぐ時は、杖患健、今回の設定を、階段ととるか、障害物とみるかで方法が違う。
高さ、長さとも、それほどでもないので障害物と捉えていいと思いますが・・・
この設定ででは、歩行方法順番はそれほど重要ではなく、ポイントは、いかにスムーズに段差を乗り越えられるかと思われます。
以前の出題でもあった車いす利用者での、段差の乗り越えと同じように、一度障害物の前で止まって、しっかりと声かけをしてからスムーズに超える(患側うまく踏み出してくれなかった場合は介助する)それができれば、方法はあまり問題にならないと思います。
具体的な介護手順
1、あいさつ、更衣、デイサービス参加することの説明、同意
2、台を山本さんの、健側(右側)に置く、少し離れた位置に杖も置く
3、杖の、グリップ、底のゴムの点検
4、山本さんに健側(右側台)に手(肘)を置いてもらい、右膝も立ててもらい、半介助で立ってもらう。
(モデルが協力してくれない場合、左腋か、あるいは腰に手を入れ全介助で)
5、声かけをし歩行を促す。(その時順番の説明もおこなう)
6、患側後方より支えながら、杖患健の順番で確実に移動、スタート時、段差の手前、ストップ時声かけ
7、椅子移乗の促し(身体を支えながら半介助にて座ってもらう)
8、更衣を患側(左)より行う(袖通しは促し)
声かけ例付介護手順
声かけ> こんにちは、山本さん、今日お世話をさせていただく■というものです、よろしくお願いいたします。
声かけ> 山本さん、今日は、デイサービス参加とのことで、上着を着て出発しますがよろしいですか?
モデル -----
声かけ> では、立ち上がりやすいように台と、歩く時の杖を準備します、失礼します。
動作 台を山本さんの、健側(右側)につけ、杖のグリップ、底のラバー確認
声かけ> 杖、大丈夫ですね、それでは、伊藤さん、右手を、こちらの台に移していただけますか?
声かけ> では、右膝を立てて、力を入れて立ち上がっていただけますか?
モデル -----
声かけ> いちにっさんで立ちましょう、いちにっさん。
動作 モデル前方あるいは後方より立ち上がりを半介助
声かけ> ご気分は悪くないですか、では、杖を持って歩きましょう、山本さんは、杖、左足、右足の順番ですね、杖・・左足・・右足・・・
動作 患側後方より腰等を支えながら歩行介助する。
動作 反応なかった場合、杖、手、あるいは足を触って促す。
声かけ> 段差がありますので、一度止まりましょう。
動作 段差の前でいったん止まってもらう
声かけ> では、山本さん、少し段差がありますので、ゆっくりと杖から・・・杖、左足・・・右足
動作 反応なかった場合、触って促す、それでも、動かしてくれなかった時は介助にて足を上げて段差を超える。
声かけ> はい、段差を超えました、続いて、杖、左足、右足・・・
動作 椅子にすぐ移れる位置まで山本さんを誘導(車いすからベッドへの誘導と同じような感じでななめ前に)
声かけ> はい、それでは椅子に移りましょう、杖預かります。
動作 杖を受け取り、患側(左側)を保護する。
声かけ> では椅子に移りましょう、ゆっくりと、
動作 患側保護しながら、健側(右側)を中心にひねりながら椅子移乗をする。
声かけ> はい、では右手、右足に力を入れて少し深く座りなおしていただけますか?
動作 モデル反応なかった場合、全介助にて深く座りなおす。
声かけ> はい、うまく座れましたね、ご気分は悪くないですか?
声かけ> それでは外は寒いので上着を着ましょうか?今持って参ります。
動作 モデルより目を離さず上着を持ってくる。
声かけ> 今日はどちらの上着を着ましょうか?
声かけ (モデルが指定してくれた場合) はい、今日は、いつもより寒いようなのでこちらの方がいいですね。
声かけ (モデル反応なかった場合) 今日は、いつもより寒いようなのでこちらを着ましょうか、よろしいですか?
声かけ> 左側から着ます、左手失礼します。
動作 左側袖通しし、右側は、モデルが着やすい状態にしておく
声かけ> 右側、手を通していただけますか?
動作 (モデル反応あった場合) 上着右袖を持って、袖通ししやすいように促す
動作 (モデル反応なかった場合) 介助により右袖を通す
動作 上着を整える
声かけ> はい、服も着て準備ができました、ご気分は悪くないですか?
声かけ> 終わります、ありがとうございました。
採点基準 あくまで予想ですが過去の採点基準からすると今年はこんなところでしょう
1 気分、体調の確認をしたか
2 杖歩行し上着を着てデイサービスに行くことを説明し同意を得たか
3 杖、各種点検したか
4 立ち上がる説明をしたか
5 声かけして半介助で立ち上がれたか
6 無理なくスムーズに立ち上がれたか
7 杖歩行時説明し同意を得たか
8 杖歩行声かけしスムーズに行えたか
9 段差超えるとき一時停止し無理なく行えたか
10 椅子移乗の説明をし、スムーズに移乗が行えたか
11 安定した座位を取れたか
12 上着は、選択してもらいスムーズに着衣できたか
13 全体を通し、安全に介助できたか
14 全体を通し、安楽に介助できたか
15 全体を通し、モデルに尊重した対応をしたか