福祉の資格の解答例(見解)

要介護者の状態について
・右半身の不全麻痺がある。
・右手を使うように心がけています。
・移乗や移動には一部介助が必要です。
不全麻痺者の設定は初めてですね、
「不全麻痺」とは、完全麻痺まで至らないが部分的な神経及び筋機能の低下を示している状態の事ですがとても微妙ですね、片麻痺者の場合、麻痺側の動作は全介助になるのですが、不全麻痺との事なので、ある程度使ってもらうように促すのが適当でしょう。
又、右手を使うように心がけ、移乗や移動には一部介助が必要、ともあるので、
この課題の場合、基本的に右麻痺者と考えるが、レクレーション、車椅子の操作等で、少しは右手を使ってもらう、使ってもらうように積極的に促すが正解でしょう。

課題の流れについて
・いすに座っている人を車椅子に移乗
・車いす者の移動(段差付)
・レクレーションの援助
 という流れでしょうか

課題の時間設定について
・課題の試験時間は5分、
・アクションは3つ(時間のかかる着替えはなし)
・要介護者は不全麻痺
この不全麻痺というのがポイントですね、片麻痺者の場合、健側は自分でやるように促し、患側は全介助というのが基本ですが、

例)右片麻痺者の車椅子ブレーキ解除時
左側、ブレーキはずしていただけますか?
モデルがブレーキをはずす。
右側はお手伝いします。
介助者がブレーキをはずす。

という流れですが
右不全麻痺者の場合、どの程度患側が動くのか分からないため、健側、患側とも自分でやってもらうよう促さなければなりません。

例)右片麻痺者の車椅子ブレーキ解除時
左側、ブレーキはずしていただけますか?
モデルがブレーキをはずす。
右側、ブレーキはずしていただけますか?
モデルがブレーキをはずす、はずさなかったら介助者が、
右側はお手伝いしますといい、
介助者がブレーキをはずす。

と行程が一つ多くなります、又、モデルの患側の反応が予想できません。
全てのアクションで(今回の場合、車椅子移乗、ブレーキのリリース、レクレーション)同様のことが言えるので片麻痺者より時間はかかります。

という事で、普通に行えば5分以内に終われそうですが、モデルの反応を見て、患側を動かしてくれる場合、動作がゆっくりだった場合は、声かけを簡潔にし、時間を意識して課題をこなしていくのがいいと思われます。

判断迷うポイント

 伊藤さんに座っているところから車椅子まで歩行してもらうか、車椅子を椅子の横につけるか?
A これは、自立支援という観点、伊藤さんの座っているところから車椅子のある場所まで離れているということから歩行を促したいところですが、この課題の場合、車椅子移動がポイントと思われるので、素直に車椅子を椅子に横付けしましょう、過去の課題でも、歩行してもらうときは、”歩行してもらい”という一文が加わり、又、単純に、実際の場面でも、椅子に座っている利用者に移動してもらう場合、(食堂で椅子に座っている人を居室まで誘導する等)わざわざ遠く離れた車椅子まで歩いてもらうのではなく、寮母が車椅子を椅子の横に持っていく事で理解できると思います。
Q 車椅子を椅子の横につける場合、右側、左側、正面どこにつけるか?
A これは難しいところです、”右手を使うように心がけている”の文から、右手を使うように右側(患側)に持って行きたいところですが、これも素直に、教科書どおりに左側(健側)に持っていきましょう、理由は、説明に”右手を使うように心がけている”とありますが、この課題のねらいは、レクレーションでの右手の活用、リハビリと思われます、そのため、力がいり、一番事故が多いと思われる移乗時は、無理に右手(患側)を使わないほうが適当でしょう、あくまで残存機能を活用しながら、できるだけ安全に、が適切と思われます。
でも、これは、判断が微妙なところです。

Q レクレーション用具はモデルに選んでもらうか、介護者が適切なものを選ぶか? 
A これは、モデルに選んでもらうが適当と思われます。
学科でも、レクレーションの問題は、自己決定が原則、たとえこちらが選んだものが要介護者にとって適当と思われても、その時点で要介護者の意思を無視したことになってしまいます。
レクレーションとリハビリの関係は、例年、学科の引っ掛け問題でもあり、たいてい、その人によいと思って(リハビリになる)介護者が選んだ場合でも、介護者の意思を無視したとの事で×となります。
又、今回の課題の場合は、レクレーションする事に同意してもらい援助するのがポイントです、
レクレーション行うとの説明で隣室に移動、目の前に三つのレクレーション用具、伊藤さんが遊びたいものがあるかもしれません。
介護者が、右不全麻痺の伊藤さんにとっていいと思って、レクレーション用具を選んだ時点で、それは、レクレーションではなくリハビリとなってしまいます。
ポイントは、伊藤さんに、レクレーションの道具を選んでもらう、そして、どの用品を選んでも右手を活用した適切なレクレーションをスムーズに行えるか、と思われます。

具体的な介護手順

1、あいさつ、車椅子移乗、レクレーション行うことの説明、同意
2、車椅子を伊藤さんの、健側(左側)斜めにつける
3、車椅子の、ブレーキ、空気圧の点検
4、伊藤さんに車椅子左側肘掛を持ってもらい、半介助で車椅子へ移乗してもらう。
(モデルが協力してくれない場合、左手を肩に回してもらい立ってもらい全介助で)
5、声かけをし車椅子移動を促す。
(モデルが協力してくれない場合介助者が押す)
6、白線に沿って移動、スタート時、段差の前後、左折時、ストップ時声かけ
7、レクレーションの説明、選択の促し
8、自分が椅子に座りレクレーションを一緒に行う(右手を使うもの)

声かけ例付介護手順

山田> こんにちは、伊藤さん、今日お世話をさせていただく山田というものです、宜しくお願いいたします。
山田> 伊藤さん、今日は、少しレクレーションをやりましょうか、リハビリのためにもなりますし楽しいですよ、車椅子にのって隣の部屋まで行きますがよろしいですか?
モデル -----
では、車椅子準備します、失礼します。
山田動作 車椅子を伊藤さんの、健側(左側)斜めにつけブレーキ、空気圧確認
山田> 車椅子、ブレーキ、空気とも大丈夫ですね、それでは、伊藤さん、左手を、こちらの肘掛に移していただけますか?
モデル <>肘掛持った場合
では、左手に力を入れて立ち上がっていただけますか?
山田動作 車椅子へ移乗
モデル <>反応なかった場合
山田> では、左手、私の肩に手をかけ立っていただけますか?
山田動作 反応なくても全介助で車椅子に乗ってもらう
山田> それでは、隣の部屋まで移動します、車椅子押していただけますか?
山田動作 反応ないため介助にて車椅子白線に沿って押す
山田> 車椅子進みます、失礼します。
山田> 段差あるため、少し前の方あがります、失礼します。
山田動作 ティッピングバーふみキャスターを上げる、前輪が段差乗り越えたあとは後輪を押し上げる
山田> 後ろ上がります、失礼します
山田> 左曲がります、失礼します
山田> はい、着きました、では、ブレーキをかけていただけますか?
山田動作 反応なかった場合介助する
山田> それでは、伊藤さん、レクレーションをして楽しみましょうか、今日は、こちらに、ボール、お手玉、色紙とありますが、どれで遊びましょうか?
モデル--- ボール(右手を使いキャッチボール等)
    --- お手玉(右手、左手を使いお手玉等)
    ---色紙(左手で紙を持ってもらい右手で持つ等)
例(お手玉)
山田> はい、お手玉ですね、では、私、椅子に腰掛けさせていただきます。
山田動作> 椅子に腰掛け、伊藤さんと向き合う
山田> では、左手から右手、右手から左手と、お手玉を移動していただけますか、
山田動作> お手玉をモデルの左手に渡し、手を沿え右手に移す動作をする。
山田> お手玉握っていただけますか、このように左手から、右手と、
山田> よろしいですか、はい、いきます、いちに、いちに、、、


採点基準 あくまで予想ですが過去の採点基準からすると今年はこんなところでしょう

1 気分、体調の確認をしたか
2 車椅子に乗りレクレーションに行くことを説明し同意を得たか
3 車椅子、各種点検したか
4 車椅子に乗る説明をしたか
5 声かけして半介助で車椅子に乗ってもらったか
6 無理なく安全に車椅子に乗れたか
7 車椅子移動時説明し同意を得たか
8 車椅子移動声かけし白線に沿ってスムーズに行えたか
9 段差超えるときティッピングバー活用しショックなく行えたか
10 レクレーションの説明をし、用品をモデルに選択してもらったか
11 右手を活用したレクレーションうまく行えたか
12 全体を通し、安全に介助できたか
13 全体を通し、安楽に介助できたか
14 全体を通し、モデルに尊重した対応をしたか

15 時間内に全ての課題をこなせたか