介護福祉士 1

「社会福祉概論、老人福祉論、障害者福祉論」

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1.1 社会福祉の歴史 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
エリザベス救貧法は1601年に、イギリスで制定され、国民を、労働能力の有無を基準に分け、就労の強制や保護を行った。
マルサス救貧法は1834年に、イギリスで制定され、救済水準を全国均一、劣等処遇の原則としている。
慈善組織協会(COS)は、1869年に、イギリス、ロンドンで発足し、友愛訪問活動等を行った。
セツルメント運動とは、知識人、学生等が、困窮者とともに生活をし、福祉の向上を目指すものである。
トインビーホールは、イギリスのバーネット夫妻のセツルメント運動。
ハルハウスは、1886年で、アメリカのジェーンアダムスのセツルメント運動。
19世紀ドイツのビスマルクの、飴と鞭の政策とは、社会保険と、社会主義取締法を指す。
ベヴァリッジ報告は、1942年イギリスで福祉国家作りが目標。
社会保障法は、1935年で、アメリカ、ルーズベルト大統領。
ドイツでは、1994年に介護保険制度を導入した。
恤救規則は、明治7年に制定した日本で最初の公的救済制度であり、人民相互扶助が前提である。
救護法は、昭和4年に制定されたもので、働く力のある困窮者を除く制限扶助主義である。
片山潜は、キングスレーホール、笠井信一は、済世顧問制度。
石井亮一は、障害児施設の滝野川学園、石井十次は、岡山孤児院。
井上友一は、救済制度要義、生江孝之は、社会事業綱要。
留岡幸助は、家庭学校、横山源之助は、日本之下層社会。
山室軍平は、救世軍の創設、廃娼運動、禁酒運動。
糸賀一雄は、戦災孤児と知的障害者のための、近江学園を開設した。
1.2 専門員・専門職
民生委員は、民生委員推薦会により選考、推薦が行われ、それを受け都道府県知事が推薦、厚生大臣が委嘱する。
民生委員は、民生委員法において行政協力者として規定され、任期は3年であり、給料はない。
保護受託者は、児童福祉法により、義務教育を終了した保護者のない児童等の面倒を見る。
養護受託者は、老人福祉法により老人の面倒を見る。
里親は、児童福祉法により、保護者のいない児童、または保護者に監護させることが不適当と思われる児童の面倒を見る。
職親は、知的障害者福祉法により、知的障害者を一定期間預かり、指導、訓練を行う。
知的障害者相談員は、知的障害者福祉法に規定され、知的障害者又は、その保護者の相談に応じる。
福祉活動専門員は、社会福祉協議会に配置され、福祉活動に関する調査、企画、連絡、調整に携わる。
保護司は、保護司法に基づき、法務大臣の委嘱を受けて犯罪や非行をした人の更生を支援する非常勤の国家公務員である。
理学療法士(PT)は、国家資格であり、運動療法、温熱療法等を行い、基本的な運動能力を高める。
作業療法士(OT)は、国家資格であり、手芸や工作を行い社会適応能力の回復を図る。
言語聴覚士(ST)は、国家資格であり、治療訓練、発生指導を行う。
義肢装具士(PO)は、国家資格であり、義肢、装具の製作を行う。
臨床工学技士は、生命維持管理装置の操作、保守点検等を行う。
医療ソーシャルワーカー(MSW)は、日常生活に支障のある人の、相談、指導、援助を行う。
精神医学ソーシャルワーカー(PSW)は、精神科領域を専門に相談援助を行うソーシャルワーカーで、精神保健福祉士として国家資格である。
臨床心理士(CP)は、障害者の心理的評価や、障害の受容、治療の過程の援助を行う。(国家資格ではない)
介護支援専門員の要件は、介護保険法施行令や省令等により定められており、養成、登録は都道府県が行う。
介護支援専門員の資格は、5年ごとの更新制であり、更新の際には、更新研修の受講が義務づけられる。
ホームヘルパー養成過程は1、2、3級がある。
1.3 社会福祉事業
社会福祉法人は、社会福祉事業のほか、公益事業と、収益事業を行うことができる。
第一種社会福祉事業は、公共性が高い為、事前に許可が必要であり、国、地方公共団体、社会福祉法人が経営することを原則とする。
第一種社会福祉事業には、老人ホーム、授産施設、更生施設、福祉ホーム、母子生活支援施設、救護施設、共同募金等がある。
第二種社会福祉事業は、福祉の増進に寄与する事業で、第一種程強い規制がないが、事業開始に当たっては都道府県知事への届出が必要、経営主体の制限はない。
第二種社会福祉事業には、デイサービス、助産施設、相談支援事業、生活訓練事業、小規模多機能型居宅介護事業等がある。
第一種社会福祉事業は、主として入所施設であり、第二種社会福祉事業は、主として在宅サービスである。
社会福祉事業の経営者は、誇大広告をしてはならない。
共同募金は、都道府県の区域を単位とし厚生大臣の定める期間行い、地域福祉推進のための財源となる。
共同募金の配分先は、社会福祉事業を経営するものに限られ、行政が配分について干渉してはならない。
特定非営利活動促進法(NPO法)では、民間非営利活動を行う団体に、一定の条件の下に法人格が与えられ、社会貢献活動が推進された。
特定非営利法人の半数以上が、保険、医療、福祉の活動である。
福祉サービスの支援費制度への移行とは、措置制度より、サービスの提供者と直接契約する支援費制度に改めるものであるが、例外的に措置制度も適用される。
児童とは、母子および寡婦福祉法では20歳未満、児童福祉法では18歳未満である。
応能負担は、所得により負担額が変わり、応益負担は、受けるサービスにより負担額が変わる。
運営適正化委員会は、福祉サービスの苦情解決、適正な運営を確保するために、都道府県社会福祉協議会に置かれる。
地方分権推進一括法は、平成12年4月に施行され、地方分権の目的や進め方を規定した。
地方分権推進一括法により、機関委任事務は廃止され、地方自治体が行う事務は、自治事務と法定受託事務に大別されることになった。
1.4 年金
国民健康保険法は昭和33年、国民年金法は昭和34年で、国民皆保険、皆年金となる。
社会保険制度の特徴は、強制加入の原則と、保険財政への国庫負担である。
社会保障制度は、社会保険、公的扶助、社会福祉、公衆衛生及び医療、老人保健である。
所得保障制度には、年金保険、雇用保険、労災保険、児童手当等がある。
年金制度には、国民年金、厚生年金保険、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度がある。
国民年金は、基礎的給付を行い、厚生年金は、二階建て、共済年金は三階建ての制度体系である。
国民年金は定額であり、厚生年金は、報酬に応じて保険料が変わる。
国民年金、厚生年金の保険料は、平成29年まで、毎年引き上げられ、それ以降は固定されることとなっている。
国民年金の第一号被保険者は、20から60歳の自営業者等であり、第二号は厚生年金、共済年金の者で、第三号は第二号の被扶養配偶者である。
国民年金の第一号被保険者で、保険料の免除制度があるのは、生活扶助受給者、障害基礎年金受給者、所得がない者等である。
国民年金の給付の種類は、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金、付加年金である。
老齢基礎年金の、支給開始年齢は、原則65歳であるが、希望により前後に変更でき、その場合支給額が増減する。
老齢基礎年金の、繰り上げ繰り下げ支給分を除く、平均年金月額は5万円を超えている。
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡した時、子のある妻、または子に支給されるものである。
国民年金基金は、自営業者等の第一号被保険者を対象として、老齢基礎年金に上乗せする任意加入制度であり、加入者は年々増加している。
厚生年金保険の給付には、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金がある。
厚生年金保険の被保険者は、民間の事業所に雇用される70歳未満の者である。
遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満で子のいない妻は、5年間で遺族厚生年金の受給権は消滅する。
厚生年金保険の老齢年金受給権者の、繰り上げ繰り下げ支給分を除く、平均年金月額は17万円を超えている。
老齢福祉年金とは、年金制度が始まったときにすでに高齢であったため、年金を受けることができない者が対象の年金であり、受給者は10万人以下である。
障害基礎年金は、国民年金加入者が怪我により、障害等級1・2級に該当した場合支給される。
障害基礎年金は原則として、障害の原因となった疾病等の初診日前の保険料納付済み期間と、保険料免除期間の合計が、被保険者期間の3分の2以上ないと受給できない。
障害基礎年金の給付額は、障害の等級で定額制である。
公的年金給付費の財源は、保険料、積立金運用収入、国庫負担金である。
確定拠出型年金とは、加入者が拠出した掛け金と、運用収益によって将来の給付額が決定される年金制度であり、リスクがある。
国民年金、厚生年金、健康保険、船員保険の不服申し立ては、地方社会保険事務局の社会保険審査官が行い、これに不服がある場合は、厚生労働省に設置されている社会保険審査会が行う。
1.5 医療保障
医療保険には、職域保険と地域保険がある。
職域保険には、健康保険、各種共済組合、船員保険等があり、地域保険とは、国民健康保険である。
医療保険を実施している共済組合は、国家公務員共済、地方公務員共済、私立学校職員共済等がある。
健康保険には、政府管掌健康保険と、組合管掌健康保険がある。
政府管掌健康保険は、国が保険者となり、中小企業の人が対象である。
組合管掌健康保険は、事業所の健康保険組合が保険者となり、従業員700人以上の会社が対象である。
国民健康保険制度の保険者は、市町村および国民健康保険組合で、自営業者、農業者、企業の退職者が対象である。
医療給付の一部負担は、加入する医療保険制度にかかわらず同率である。
医療保険での自己負担は、小学校就学前は2割、小学校就学前以上70歳未満が3割負担、70歳以上75歳未満が2割負担、75歳以上が1割負担である。
高額所得の70歳以上の者の自己負担は、3割である。
老人保健法での、医療等の保健事業の対象者は、75歳以上の者と65歳以上で寝たきりの者である。
公費負担医療制度には、生活保護法に規定する医療扶助のほか、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定するものなどがある。
傷病手当金とは、病気やけがのため、賃金が支給されない場合に、休業4日目から1年6ヵ月を限度に、標準報酬日額の3分の2が退職しても支給されるものである。
高額療養費の自己負担は、上位所得者、一般所得者、低所得者で自己負担限度額が異なる。
1.6 各種制度
労働者災害補償保険(労災保険)には、療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、介護補償給付、遺族補償給付、傷病補償年金、葬祭料の支給がある。
労働者災害補償保険は、業務災害、通勤災害を保険事故としており、財源は、基本的に事業主の保険料である。
労災保険、雇用保険の給付の対象は、パートタイム労働者や登録型派遣労働者も含めた全従業員である。
公務員、船員は、雇用保険法及び労災保険法の適用は受けず、国家公務員、地方公務員共済組合法及び、船員保険法にて対応している。
社会保障関係費とは、社会保険費、生活保護費、社会福祉費、保健衛生対策費、失業対策費のことをいう。
近年の社会保障関係費は、国の一般歳出の40%程である。
国の社会保障関係費における社会保険費の割合は60%、社会福祉費の割合は、30%程である。
地方財政における民生費の割合は、1割ほどである。
社会福祉医療事業団は、福祉施設職員の退職金共済制度などの運営を行っている。
育児・介護休業法により、1歳に満たない子を養育する労働者、又は要介護状態にある家族を介護する労働者は休業を取得することができる。
育児休業は、一定の場合、子が1歳6か月に達するまでの間であり、介護休業では、通算93日である。
育児休業取得者は、65%ほどで、復職率は、90%ほどである。
介護雇用創出助成金とは、介護分野で新たなサービスの提供を行う事業主に対し、助成金等を支給する制度である。
児童手当の支給要件は、児童手当法に定められており、小学校6年までの児童に給付される。
1.7 生活保護
生活保護法では、憲法の理念に基づき、生活困窮者に対し、必要な保護を行い、最低限度の生活の保障、自立を助長する。
生活保護の基本原理は、国家責任の原理、無差別平等の原理、最低生活保障の原理、保護の補足性の原理である。
生活保護の無差別平等の原理とは、生活困窮に陥った原因を問わず、もっぱら経済状態のみに着目して保護を行う事をいう。
生活保護の保護の補足性の原理とは、保護を受ける為には、資産、能力等、あらゆるものを活用し、最善の努力をしてもなお最低限度の生活がいとめない場合に限り、保護が行われる事をいう。
生活保護の基本原則は、申請保護の原則、基準及び程度の原則、必要即応の原則、世帯単位の原則である。
生活保護の扶助は、生活、教育、住宅、出産、生業、葬祭、介護、医療扶助の8つである。
生活保護は、申請保護の原則だが、急迫した状態の時は、申請なしで保護できる。
生活保護法に基づく保護施設は、救護施設、更生施設、医療保護施設、授産施設、宿舎提供施設の五つである。
生活保護受給者も、低所得者世帯を対象とした、生活福祉資金貸付制度を受けられる。
生活保護受給者で、40から65歳未満の医療保険非加入者は、介護サービスは介護保険の給付ではなく生活保護の介護扶助を現物給付として受ける。
生活保護受給者で、65歳以上であれば介護保険の第一号被保険者となり、介護サービスは、介護保険の給付が適用され、利用者負担相当分については、生活保護の介護扶助より、保険料分については生活扶助に加算して支給される。
生活保護法では、福祉事務所による保護の決定及び実施に関する処分について不服がある場合、都道府県知事に審査請求を行うことができる。
生活保護の被保護人員は、140万人程で増加傾向であり、一人世帯が7割以上である。
1.8 福祉関係施設
福祉事務所には、所長、査察指導員、現業員、事務員、婦人相談員、家庭児童相談員等が置かれる。
福祉事務所の、査察指導員、現業員は、社会福祉主事でなければならない。
福祉事務所は、市は義務だが町村は任意、10万人に一ヶ所程である。
児童自立生活支援施設は、不良行為を行ったか、あるいはそのおそれがある児童、家庭環境等の環境上の理由により生活指導が必要な児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、必要な指導を行い、自立を支援することを目的とする施設である。
児童相談所では、相談だけでなく、児童を一時保護することもできる。
母子休養ホームとは、無料・低額な料金で、母子家庭がレクリエーション・休養等に利用できる施設である。
婦人相談所は、売春防止法に基づき、各都道府県に1つ設置されており、婦人相談員が置かれる。
ボランティアセンターは、約3千ヵ所の市町村社会福祉協議会に設置され、ボランティア活動の住民の窓口となっている。
福祉人材センターは、都道府県に一ヶ所設置される。
身体障害者更生相談所は、身体障害者の福祉に関する相談、判定、指導を行っている。
身体障害者更生相談所には、身体障害者福祉司、児童相談所には、児童福祉司が配置されなければならない。
身体障害者福祉センターは、通所して相談、レクリエーション等を行う。
身体障害者福祉センターには、A型、B型、デイサービス、障害者更生センターがある。
知的障害者更生相談所では、18歳以上の知的障害をもつ者の、福祉に関する相談、判定、指導を行っている。
1.9 老人福祉の歴史
福祉三法とは、昭和20年代に制定された、生活保護法、児童福祉法、身体障害者福祉法を指す。
老人福祉法は、昭和38年に制定、平成2年に改正される。
老人保健法は昭和57年に制定。
社会福祉士、介護福祉士は昭和62年に制定。
福祉人材確保指針は平成5年に定められる。
福祉関係8法の改正は平成2年で、老人及び身体障害者の施設への入所決定が都道府県から市町村に移された。
社会福祉事業法は、昭和26年に制定され、平成12年、改正により社会福祉法に改められる。
ゴールドプランは平成元年、新ゴールドプランは平成6年、ゴールドプラン21は平成12年で、高齢者保健福祉サービスの整備目標を設定した。
介護保険法は、平成9年に制定され、平成12年より施行された。
1.10 人口動態・社会保障の動向
年少人口とは、15歳未満の人口をいい、14%程である。
生産年齢人口とは、15歳以上65歳未満の人口をいい、66%程である。
高齢人口とは、65歳以上の人口をいい、20%程である。
前期高齢者とは、65歳以上75歳未満の高齢者をいい、後期高齢者とは、75歳以上の高齢者のことである。
後期老年人口は、9%ほどである。
現在は、前期老年人口よりも後期老年人口の増加が高い。
高齢化社会とは、65歳以上人口がその国の総人口の7%に達した社会のことであり、高齢社会とは、14%に達した社会のことである。
高齢化社会から高齢社会になるのに、日本は24年、アメリカは70年、フランスでは100年以上かかった。
高齢社会になったのは、日本が1996年、西欧は1970年代、アメリカ、カナダは、2010年代と予測されている。
日本の人口ピラミッドは、すそが次第に狭まる、ひょうたん型である。
合計特殊出生率は、1.3以下である。
2025年には、支援を必要とする認知症高齢者の数は、300万人を越えると予測されている。
2050年には、総人口の3分の1が高齢者になると予測されている。
社会保障関係費における社会保険費の割合は60%、社会福祉費の割合は、30%程である。
1.11 高齢者の生活実態
65歳以上の者の、子供との同居率は5割以下であり減少傾向である。
65歳以上の者がいる世帯が、全世帯に占める割合は、40%程である。
65歳以上の者がいる世帯においては、三世代世帯が26%、夫婦のみ世帯が28%、単独世帯が20%程である。
65歳以上の一人暮らし高齢者の数は増加傾向で、2020年頃には500万世帯を超えると推計されている。
一人暮らし高齢者の持ち家率は、高齢者のいる世帯全体と比べて低い。
65歳以上の高齢者の通院率は、国民全体平均の、ほぼ2倍である。
65歳以上の者が就業を希望する理由は、健康を維持したいが一番多い。
60歳代前半の男性の労働力率は、7割を超えている。
65歳までの雇用の場を確保する企業の割合は、7割を超えているが、希望者全体を対象として65歳までの雇用を確保する企業の割合は3割に満たない。
要介護者の割合は、65歳から69歳は約3%、80歳から84歳は約27%、85歳以上では約50%である。
高齢者世帯とは、65歳以上の者のみで構成されるか、これに、18歳未満の未婚のものが加わった世帯のことである。
介護者の75%が女性である。
高齢者世帯の1世帯当たりの年間所得は、300万円ほどで、公的年金、稼働所得、家賃、土地代の所得の順となっている。
公的年金、恩給を受給している高齢者世帯の半数以上が、年金、恩給のみの所得で生活している。
高齢者の中で、何らかのグループ活動に参加している者は、55%程である。
高齢者が自分から積極的に外出する割合は、前期高齢者が65%、後期高齢者が50%程である。
高齢者世帯で、現在の暮らしについて、大変苦しい、やや苦しいと思っている世帯は5割弱であり、全世帯よりやや低い。
健康についての高齢者の意識は、よい、まあよい、普通と思っている者の割合は、男女とも、65から74歳では3分の2以上、85歳以上でも2分の1以上である。
高齢者では、交通事故より、家庭内事故のほうが多く、年間8400人ほどが亡くなっている。
家庭内事故では、溺死が一番多く、全体の33%程である。
高齢者の交通事故死者数は3千人程であり、交通事故死者全体の4割以上である。
振り込め詐欺の被害者の25%以上が、65歳以上の高齢者である。
要介護状態になった主な原因の順番は、脳血管疾患が最も多く、次いで認知症、骨折・転倒である。
1.12 老人保健法
老人保健法の、医療等以外の保険事業の対象者は40歳以上である。
老人保健法の、医療等の保健事業の対象者は、75歳以上、及び65歳以上で寝たきりの者である。
老人保健法の、医療等以外の、保健事業には、健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練、訪問指導がある。
老人保健法による、老人保健制度の実施主体は市町村である。
老人保健法の医療等以外の保健事業に要する費用は、自己負担額を除いて、国、都道府県、市町村がそれぞれ3分の1ずつ負担する。
老人保健法による医療を受ける場合は、健康手帳を提示しなければならない。
老人保健法の健康教育は、保健センターや、老人福祉センターで、保健学級等の開催により実施される。
老人保健法の機能訓練には、A、基本型、B、地域参加型がある。
1.13 老人関係事業
老人クラブは、60歳以上の3分の1が加入しており、同一小地域の会員の自主的運営で行われる。
老人クラブは、健康、友愛、奉仕を中心に活動しており、活動に対する国庫補助も行われている。
高齢者訪問支援活動推進員とは、一人暮らしの高齢者等を訪問し、話し相手、外出介助、家事援護等を行う。
高齢者総合相談センターは、シルバー110番ともよばれ、高齢者及び家族の抱える保健、福祉、医療等に関する相談に応じるとともに市町村の相談体制を支援する。
介護実習・普及センターは、都道府県、指定都市を設置主体として、家族介護者への介護技術や知識の普及、福祉用具、住宅改造に関わる相談や助言などを行っている。
シルバー人材センターは、市町村に設置され、臨時、短期的な仕事を紹介、60歳以上の高齢者で運営される。
高齢者能力開発情報センターは、65歳以上の高齢者に、能力向上の相談や、情報の提供をする。
老人福祉センターは、無料又は低額で、相談、健康の促進、教養の向上を図る。
全国健康福祉祭(ねんりんピック)は、国、都道府県、長寿社会開発センターの共催で毎年行われている。
老人日常生活用具給付事業は、市町村が実施しており、負担能力に応じて費用の一部を負担する。
高齢者共同生活(グループリビング)支援事業とは、加齢による身体機能の低下を補うため、お互いに共同して生活している形態に対して、支援体制づくりの支援を行うものである。
高齢社会対策基本法で展開される基本的施策には、就業及び所得、健康及び福祉、学習及び社会参加、生活環境、調査研究等の推進、国民の意見の反映がある。
住宅改修支援事業とは、高齢者向けに居室等の改良を希望する者に対して、住宅改修に関する相談・助言を行うものである。
老人居宅生活支援事業とは、ショートステイ、デイサービス、ホームヘルパー、グループホームのことである。
在宅福祉サービスの3本柱は、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイ事業である。
地域福祉権利擁護事業では、認知症高齢者など判断能力が不十分な者が自立した地域生活を送れるよう、福祉サービス等の利用援助を行うことであり、実施主体は、都道府県社会福祉協議会である。
地域福祉権利擁護事業で行うことは、要介護認定等の申請代行、代理、居宅介護支援事業者等の選択、利用手続きの援助、要介護認定調査時、課題分析時に本人の状況を正しく伝えること、介護保険制度利用に伴う利用料の支払い援助等である。
福祉サービス利用援助事業とは、認知症高齢者などに、福祉サービスの利用に関する、相談、助言、及び必要な手続き等を行うサービスのことである。
介護予防・地域支え合い事業では、高齢者が要介護状態に陥ったり、状態が悪化する事がないようにし、自立した生活を確保するための必要な支援を行う。
介護予防・地域支え合い事業は、都道府県・市町村の事業であり、対象は、自立者も含めた在宅の高齢者である。
1.14 老人関係施設
老人福祉法上の老人福祉施設は、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人短期入所施設、老人デイサービスセンター、老人介護支援センターの7つである。(有料老人ホームは含まれない)
軽費老人ホームには、A型、B型、ケアハウスがあり、原則として60歳以上の者が対象である。
軽費老人ホーム(A、B型)は、家庭環境や住宅事情などのために自宅で生活することが困難な高齢者が低料金で入所できる施設である。
軽費老人ホーム、A型は食事つき、B型は自炊である。
軽費老人ホームでも、居宅介護サービスを受けられる。
ケアハウスとは、高齢等のため独立して生活するには不安が認められる者等に対して、低額な料金で入所させ、給食その他日常生活上の便宜を供与する施設である。
ケアハウス利用者が介護が必要になった場合、特定施設入所者生活介護の対象となり、サービスを利用することができる。
ケアハウスは、公益法人、農協、医療法人等で設置が認められている。
有料老人ホームとは、民間事業者が設置・運営する高齢者のための施設であり、実施主体は、株式会社、財団法人等である。
有料老人ホームを開設する場合は、老人福祉法に基づき都道府県知事に届出が必要である。
有料老人ホームには、介護付、住宅型、健康型がある。
有料老人ホーム介護付は、介護保険の特定施設の指定を受けたもので、住宅型は、訪問介護等、外部のサービスを利用するものであり、健康型では介護が必要となった場合退去しなければならない。
有料老人ホームの入居申し込みは、利用者と施設の直接契約により行われる。
有料老人ホームでも、基準を満たし、知事の指定を受ければ介護保険の給付を受けられる。
特定施設入所者生活介護は、有料老人ホーム、軽費老人ホームに入所している要介護者などに対して行われる。
特定施設入所者生活介護の指定を受けるにあたっては、介護支援専門員等の計画作成担当者を配置しなければならない。
社団法人全国有料老人ホーム協会は、老人福祉法の規定に基づいて設立されたもので、入居者保護、健全な発展のため、法律その他の法令の規定を遵守させるために指導や勧告を行っている。
養護老人ホームの入所要件としての経済的理由とは、生活保護を受けていること、市町村民税の所得割がない、災害等により生活が困窮状態の場合である。
老人休養ホームは、景観地にある低額宿泊施設である。
老人憩いの家は、教養の向上、レクリエーションの施設であり、60歳以上が対象である。
生活支援ハウスとは、おおむね60歳以上のひとり暮らしや、お年寄り夫婦のみの世帯で、高齢などのために独立して生活することに不安のある方が入ることのできる施設である。
コレクティブハウジングとは、居住者同士が交流し支えあうことを目的にして、ダイニングキッチン・リビング等の共通の空間を備えた集合住宅のことである。
シルバーハウジングとは、バリアフリー化された公共賃貸住宅のことである。
シルバーハウジングでは、概ね30戸に1人の生活援助員を配置し、生活相談、緊急時の対応等にあたっている。
1.15 成年後見制度
成年後見制度とは、認知症等により判断能力が不十分であるために、意思決定が困難な者の判断能力を後見人等が補っていく制度である。
成年後見制度には、法定後見制度と任意後見制度がある。
成年後見人は、本人の財産に関する法律行為を、本人に代わって包括的に行うことができるが、本人の居住用の不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要である。
成年後見人は、被後見人となる本人と、後見人との利害関係の有無等の事情を十分に考慮した上で、家庭裁判所が選任する。
成年後見人は、被後見人が行った法律行為について、被後見人にとって不利益なものは原則として取り消すことができる。
法定後見制度とは、四親等内の親族内の申し立てに基づいて、家庭裁判所が後見人等を職務で選任する制度である。
法定後見人の職務は、財産管理と身上監護に関する契約等の法律行為である。
法定後見制度では、複数の後見人が選任でき、戸籍にも記載されない。
法定後見制度での、後見類型は、判断能力を喪失した人、保佐類型は、判断能力の著しく喪失した人、補助類型は、認知症者等に対して本人の財産管理を行う。
任意後見制度は、判断能力が衰える前に、自分の友人や、弁護士を、任意後見人として指定しておく事である。
任意後見では、任意後見人に不正や権限の濫用がないように、家庭裁判所が任意後見監督人を別途選任する。
任意後見制度における、任意後見契約の効力は、家庭裁判所によって任意後見監督人が選任された段階で発生する。
1.16 地域支援事業・地域包括支援センター
地域支援事業では、介護予防事業、包括的支援事業等を実施し、責任主体は市町村である。
介護予防事業は、主として、要支援、要介護になるおそれのある高齢者を対象としている。
新予防給付の対象者は、要支援認定を受けた要支援者である。(現行の要支援および要介護1の一部の方)
新予防給付は、介護予防サービス等の種類及び内容、担当者等を定めた介護予防サービス計画に基づき給付される。
新予防給付での計画作成に伴うケアマネジメントは、地域包括支援センターにおいて実施される。
地域包括支援センターは、地域の介護支援を行う中核的機関であり、介護予防マネジメントの実施機関として機能する。
地域包括支援センターでは、介護予防マネジメント事業、総合相談・支援事業、権利擁護事業、包括的・継続的マネジメント支援事業を行う。
地域包括支援センターは、市町村により設置され、社会福祉士、保健士、主任ケアマネージャーなどが連携して、多面的な支援を行う。
1.17 地域密着型サービス
地域密着型サービスでは、高齢者の身近な地域で、地域の特性に応じて多様で柔軟なサービス提供が可能となる。
地域密着型サービスには、夜間対応型訪問介護、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護がある。
夜間対応型訪問介護とは、居宅要介護者が、夜間の定期的な巡回訪問、または通報により、居宅で介護福祉士等から受ける、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活上の世話を行うものである。
小規模多機能型居宅介護とは、居宅要介護者が、居宅または一定のサービスの拠点に通所または、短期間宿泊により、入浴、排せつ、食事等の介護その他日常生活上の世話、機能訓練等を行うものである。
地域密着型特定施設とは、有料老人ホーム等のうち、その入居定員が29人以下であるものをいう。
地域密着型介護老人福祉施設とは、特別養護老人ホーム等のうち、入居定員が29人以下であるものをいう。
地域密着型介護予防サービスは、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、介護予防小規模多機能型居宅介護である。
地域密着型サービスの事業者の指定は、各市町村ごとに行われ、当該市町村内の被保険者に限り、保険給付によるサービスを受けられる。
1.18 介護保険制度
介護保険導入により、措置制度より、支援費支給方式に変わる。
介護保険制度では、基本的に行政はサービスを提供する主体ではなくなったとされ、多様な事業者が利用者との契約に基づいてサービスを提供するようになった。
介護保険の保険者は、市町村および特別区である。
介護保険の被保険者が少ない市町村は、財政安定化、要介護認定の効率化のため、広域連合、一部事務組合等を設ける事ができる。
介護保険の、1号被保険者は65歳以上の者、2号は40から65歳の医療保険加入者である。
保険事故とは、被保険者が、要支援、要介護状態等になることであり、40から65歳の者については、その原因が特定疾病であることである。
介護保険の第1号被保険者の保険料は、市町村ごとに定められ、市町村が直接徴収する普通徴収と、年金からの天引きの特別徴収があり、所得段階に応じて徴収される。
第1号被保険者の保険料は、所得段階別6段階である。
介護保険の第2号被保険者の保険料は、医療保険者が徴収し、加入している、医療保険や所得によって異なる。
介護保険の負担割合は、利用者負担を除いて、保険料が50%、国が20%、調整交付金が5%、都道府県と市町村が12.5%である。
介護保険制度では、利用者が利用したサービスについて、9割給付であるが、居宅介護サービス計画費は10割給付である。
介護保険制度における利用者負担は、受けるサービスにより負担額が変わる、応益負担である。
介護保険の財政調整交付金は、国が市町村間の負担価格是正の為にある。
介護保険の保険給付には、介護給付、予防給付、市町村特別給付の3つがある。
介護給付は、要介護者に対して行う給付であり、予防給付は、要支援者に対して行う給付である。
市町村特別給付とは、第1号被保険者の保険料を財源として、在宅サービスの支給限度額の上限を引き上げたり、法定外のサービスを保険給付の対象とするものである。
基準該当サービスとは、法人格、人員基準などの指定要件の一部を満たしていない事業者でも、一定水準を満たせば介護保険の保険給付の対象とするという事である。
指定居宅介護支援事業者は、法人であり、常勤の介護支援専門員が必置であり、都道府県知事の指定を受けなければならない。
介護支援専門員は、全ての介護保険施設と指定居宅介護支援事業者に配置されている。
指定居宅サービス事業者として指定を受けるためには、一定の、人員基準、設備運営基準を満たしている必要があり、この指定はサービスの種類ごと、かつ事業者ごとに受ける必要がある。
指定居宅サービス事業者は、基準を満たしていれば、営利、非営利を問わず参入できる。
介護サービス事業者は、介護サービスの内容、事業の運営状況に関する情報であって厚生労働省令で定めるものを、都道府県知事に報告することが義務づけられる。
居宅介護支援とは、利用者の課題分析、ケアプランの作成、サービス提供事業者との連絡調整等を行い、要介護者等をサポートするものである。
居宅サービス計画(ケアプラン)は、居宅介護支援事業所の、介護支援専門員が作成する。
介護保険における在宅者のケアプランは、要介護者、要支援者本人が作成したものでも認められる。
ケアマネジメントは、利用者がフォーマル、インフォーマルなサービスを主体的に活用する事を支援する活動であり、入所型施設のようなひとつの機関内での調整はケアマネジメントとはいわない。
ケアマネジメントの主要な過程は、入口、アセスメント、ケース目標の設定とケアプランの作成、ケアプランの実施、モニタリング、再アセスメント、終結である。
モニタリングは、少なくとも1ヶ月に1回、利用者の居宅を訪問し、面接しなければならず、1ヶ月に1回は結果を記録しなければならない。
フォーマルなサービスとは、制度化されたサービスで、インフォーマルなサービスとは、隣人、ボランティア等のサービスの事をいう。
福祉サービスに関する苦情については、第三者委員会が立ち会って事業経営者と話し合う事ができるだけではなく、運営適正化委員会や都道府県に申し込む事ができる。
介護サービス事業所で事故が起きた場合には、市町村に報告しなければならず、記録は2年間保存しなければならない。
国民健康保険団体連合会は、介護保険サービスに関する苦情の相談に応じるだけでなく、必要に応じて調査し、事業者に対して助言や指導などを行う。
現物給付(代理受領方式)では、自己負担分だけ支払えばよく、償還払いは、一旦全額を支払い、領収書などの書類を提出して、保険給付分を償還する。
償還払いであるのは、福祉用具購入費、住宅改修費、高額サービス費である。
財政安定化基金は、都道府県が設置し、基金の財源は、国、都道府県、市が3分の1ずつ拠出する。
介護保険事業計画は、介護保険法により策定が義務付けられており、3年を一期として策定され、定められたサービスの種類ごとの量の見込みが保険料算定の基礎となる。
1.19 介護保険居宅サービス
訪問介護(ホームへルプサービス)とは、訪問介護員が居宅を訪問して、入浴、排泄、食事、介護等、日常生活上の世話を行うサービスである。
同居家族への訪問介護が認められるのは、サービス計画に基づき、身体介護が主であり、同居家族への従事時間が総時間の半分を超えない場合等であり、基準該当サービスとして認められる。
指定訪問介護事業所で、サービス提供を拒否することができる正当な理由は、事業所の従業員の人数から利用申し込みに応じきれない場合、通常のサービス提供地域外、利用申込者に対し自ら適切なサービスを提供する事が困難な場合等である。
訪問介護事業所でのサービス提供責任者は、事業の規模に応じて、1人以上の介護福祉士か訪問介護員でなければならない。
通所介護(デイサービス)とは、利用者を通所介護事業所に通わせ、入浴、排せつ、食事等の介護、日常生活上の世話、機能訓練等を行うサービスである。
通所介護には、A型からE型があり、委託先は、社会福祉法人、農協、生協等である。
ホームヘルプサービス事業の委託先は、社会福祉法人、民間企業、農協等である。
短期入所生活介護(ショートステイ)では、短期入所施設等に短期間入所させ、日常生活上の世話を行い、短期入所療養介護では、看護医学的管理下で行う。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは、認知症の状態にあるものについて、共同生活住居において、入浴、排泄などの介護その他日常生活上の世話を行うものである。
認知症対応型通所介護は、要支援1以上の人からサービスを受けられる。
認知症対応型共同生活介護、および認知症対応型短期入所は、要支援2以上の人からサービスを受けられる。
認知症対応型共同生活介護は、2つまでの共同生活住居を有し、入居定員は、5人以上9人以下であり、居室は、原則個室である。
認知症対応型共同生活介護での、利用者の食事その他の家事等は、原則として利用者と介護従事者が共同で行うよう努めなければならない。
訪問介護計画は、介護支援専門員が作成した居宅サービス計画に沿って作成される。
介護保険の給付対象には、住宅改修、福祉用具の購入、貸与もある。
住宅改修費には、住宅改修費支給限度基準額が設定され、要介護状態区分にかかわらず定額(20万円)である。
住宅改修費は、著しく要介護状態が悪化した場合(3段階上昇)、1回を限度に、再受給が可能である。
介護保険の、住宅改修として認められているものは、手すりの設置、床段差の解消、床材の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器への取替え等、小規模なもののみである。
福祉用具購入費の支給は、同一種目について同一年度に1回が原則であり10万円である。
要支援者及び要介護1の者に対して、一定の例外となる者を除き福祉用具の保険給付対象とならないのは、特殊寝台、車椅子、床ずれ防止用具及び体位交換器、認知症老人徘徊感知器、移動用リフトである。
居宅療養管理指導とは、医師、薬剤師等が居宅を訪問し、療養上の管理や指導を行うサービスである。
訪問看護は、利用者の主治医が発行する訪問看護指示の文書の交付を受けなければ指定訪問看護の提供を開始できない。
訪問看護は、保健師、看護師、準看護師、理学療法士、作業療法士等で行われる。
訪問看護事業を行うことができるのは、都道府県知事の指定を受けた、訪問看護の指定居宅事業者である。
訪問看護ステーションから提供される訪問看護には、老人保健法に基づく老人訪問看護と、介護保険法に基づく訪問看護がある。
居宅サービス事業者等は、6年ごとに指定の更新を受ける。
同居家族への訪問介護が認められるのは、サービス計画に基づき、身体介護が主であり、同居家族への従事時間が総時間の半分を超えない場合等であり、基準該当サービスとして認められる。
1.20 介護保険施設サービス
介護保険施設とは、指定介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設である。
介護保険施設に入所できるのは、要介護1から要介護5と認定された者のみで、要支援者は入所できない。
介護老人福祉施設では、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話等を行う。
介護老人福祉施設は、心身に著しい障害があり常時介護を必要とし、居宅ではこれを受けることが困難なものが対象である。
介護老人福祉施設への入所措置の対象者は、虐待や遺棄など、やむを得ない場合に限られる。
小規模生活単位型介護老人福祉施設では、全室個室が原則であり、1ユニットの定員は、概ね10人以下である。
介護老人保健施設とは、入院治療を必要としない病状の安定期の老人(認知症も含む)を、看護、介護、機能訓練し日常生活の支援を行う施設で医師が配置されている。
介護老人保健施設は、リハビリテーションとケアを提供し、病院と家庭の橋渡しをする。
介護老人福祉施設には、生活相談員を、介護老人保健施設には、支援相談員を配置しなければならない。
介護保険3施設の居住費・食費および、短期入所サービスの滞在費・食費、および、通所サービス利用者の食費は、利用者の自己負担である。
介護保険施設に入所する事により、住所が変更となる被保険者については、移転前の所在地である市町村が保険者となる。
介護保険施設での、利用料の支払いでも現物給付が可能である。
介護保険施設では、個々の入所者又は入院患者ごとに、サービスの内容等を定めた施設サービス計画を作成しなければならない。
施設サービス計画は、計画担当介護支援専門員が計画の原案を作成し、サービス担当者会議を開催して、他の担当者から専門的な意見を聞くことになっている。
施設サービス計画、及び、居宅サービス計画の原案の内容については、利用者又は、その家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
1.21 要介護認定
要介護認定は、市町村等に置かれる介護認定審査会が行い、基準は全国同一である。
要介護認定は、複数の市町村で共同設置して実施したり、都道府県の介護認定審査会に委託することもできる。
要介護度は、要支援1・2、要介護1〜5の7段階であり、新予防給付は、要支援1・2の方が対象である。
要介護認定の有効期間は、新規の場合、原則6ヶ月であり、更新認定では12ヶ月である。
要介護認定は、転入してきた被保険者については、改めて行う必要はない。
介護認定審査会の委員は、保健医療福祉の学識経験者で構成され、市町村長が任命する。
要介護認定の一次判定は、全国統一の基本調査項目をコンピュータにより判定する。
要介護認定の二次判定は、一次判定の結果に、主治医の意見、特記事項を考慮し、介護認定審査会により行われる。
要介護認定の申請手続きは、被保険者に代わって、身近な居宅介護支援事業者、介護保険施設、地域包括支援センターが代行できる。
要介護認定の判定結果は、30日以内に市町村から通知されるが、要介護認定の効力は申請時である。
介護保険審査会とは、要介護認定に不服がある場合の再審請求等を行うもので、全ての都道府県に設置されている。
介護保険サービスの質に関する、苦情の申し立ては、国保連、市町村や居宅介護支援事業所で受け付ける。
1.22 障害者福祉の概念・歴史
障害者基本計画での基本的な方針は、21世紀にわが国が目指すべき社会は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支えあう共生社会であり、障害者は、社会の対等な構成員として人権を尊重され、自己選択と自己決定の下に社会のあらゆる活動に参加、参画するとともに、社会の一員としてその責任を分担する、である。
障害者基本法が定める障害者とは、身体障害、知的障害、精神障害のために継続的に、日常生活や社会生活に相当な制限を受ける者の事である。
障害者基本法には、基本計画の策定、施策推進協議会の設置、施策の年次報告書の国会への提出がある。
障害者基本法により、都道府県及び市町村は、障害者のための施策に関する基本的な計画を策定しなければならない。
障害者の雇用の促進等に関する法律は、身体障害者、知的障害者を対象とし、一部の精神障害者については職場適応訓練の対象となっている。
知的障害とは、18歳までにその状態が現れたもののことを言う。
身体障害者福祉法でいう内部障害とは、心臓機能障害、腎臓機能障害、呼吸器脳障害、膀胱機能障害、直腸機能障害、小腸機能障害、免疫機能障害である。
内部障害者は、障害と病気の両方に不安があり、喪失体験の連鎖を引き起こしやすい。
精神保健福祉法で定める精神障害者とは、統合失調症(精神分裂症)、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。
障害者の権利に関する宣言は、1975年で、障害者という言葉を、先天的か否かにかかわらず、身体的又は精神的能力の不全のために、通常の個人又は、社会生活に必要なことを確保することが、自分自身では完全に又は部分的にできない人のことを意味するとしている。
国際障害者年は、1981年であり、完全参加と平等がテーマに掲げられた。
国連、障害者の10年は、1983年からである。
アジア、太平洋障害者の10年は、1993年からであり、2002年さらに10年延長された。
世界人権宣言は、1948年に国連で採択され、自由権と平等権、平等の社会権、社会保障を受ける権利をうたっている。
世界人権宣言の理念は、全て人間は、生まれながらにして自由であり、尊厳と権利において平等であるというものである。
身体障害者福祉法は、昭和24年に制定される。
心身障害者対策基本法は、昭和45年に制定、平成5年に、改正により障害者基本法となる。
精神薄弱者福祉法は、昭和35年に制定、平成10年に、改正により知的障害者福祉法となる。
精神衛生法は、昭和25年に制定、昭和62年に改正により精神保健法、平成7年に精神保健福祉法となる。
障害者プランは、平成8年、新障害者プランは、平成15年からの障害者対策に関する長期計画である。
新しい障害者基本計画は、平成15年度から10年間の障害者施策の基本方向を定めている。
障害者福祉サービスについての支援費制度は、平成15年度より開始された。
発達障害者支援法は、自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等のものを支援するもので、平成16年に制定された。
障害者自立支援法は、各障害を共通の制度の下で福祉サービスを提供することとしたもので、平成18年より開始された。
障害者の権利条約は、2006年に国連で採択された。
1.23 障害者の実態
障害者・児の総数は660万人ほどであり、身体障害者が350万人、精神障害者が250万人、知的障害が45万人程である。
障害者で施設に入所している者は、知的障害者は3割ほど、精神障害者は16%程である。
障害者は、在宅者が90%、施設入所者が10%程である。
身体障害になる原因は、疾病によるものが26%、事故によるものが17%程となっている。
身体障害者・児の状況を障害の種類別に見ると、構成比が最も高いのは肢体不自由であり、次に、内部障害、視覚障害、聴覚・言語障害となる。
身体障害者で、65歳以上の者は60%程、70歳以上の者は45%程である。
18歳未満の在宅の身体障害児は、8万人程であり横ばいである。
新障害者プランでの、条件が整えば退院可能とされる入院患者の数は、入院患者総数の5分の1程である。
特殊教育諸学校は、養護学校が一番多く、次いで、ろう学校、盲学校である。
難病の患者数は44万人程であり、患者は増加、重症化傾向である。
1.24 障害者自立支援法
障害者自立支援法では、障害者施策を、3障害一元化し、利用者本位のサービス体系に再編、支給決定の明確化等を行った。
障害者自立支援法では、サービス提供主体を市町村に一元化し、障害の種類にかかわらず、障害者の自立支援を目的とした共通の福祉サービスを提供する。
障害者自立支援法では、33種の事業に分かれていた事業を6つに再編成した。
障害者が福祉サービス等を利用した場合は、食事等の実費負担のほかに、利用したサービスの量等により、所得に応じた利用者負担がある。
障害者自立支援法での給付の対象者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者、障害児等である。
支援費方式とは、利用者が福祉サービスの提供者と直接契約し、市町村が利用者の申請に基づき、その費用について支援費を支給する方式のことである。
給付は、市町村等に申請し、障害程度区分の認定を受け、利用者負担は1割である。
障害程度区分は、区分1から6の6段階であり、市町村審査会において決定する。
障害者ケアマネジメント従事者とは、障害者のサービスの調整、計画等を行う者のことであり、特定の資格ではなく、ケアマネジメントの支援方法や手法についての研修を終了している者のことである。
障害者自立支援法の施行に伴い、更生医療、育成医療、精神科通院医療費公費負担が自立支援医療に統合された。
自立支援給付費とは、自立支援給付に対して発生した費用のことで、介護給付、訓練等給付、サービス利用計画作成費の支給、自立支援医療費の支給、補装具の支給等がある。
障害者福祉サービスには、介護給付と、訓練等給付がある。
介護給付とは、障害者とその家族等の日常生活の介護を中心に援助するもので、居宅介護、重度訪問介護、行動援護、療養介護、生活介護、児童デイサービス、短期入所、重度障害者等包括支援、共同生活介護、施設入所支援がある。
訓練給付とは、障